重装備化する事務所
情報システムも、いまや「ノーラン・ノートンの発展段階説」に見るように、新しい展開を見せ始めてきています。
扱う情報もマルチメディア情報を含めたものになり、いわゆる基幹系のシステム支援とは異なる意思決定を支援する情報系のシステムが、これから多くの企業においてどんどん導入されてきます。
そこでは機器の低価格化とLANシステムの普及が、近い将来の1人1台のコンピュータ化を促進し、作業者は自分の端末から自由自在に誰とでもコミュニケーションをとりながら仕事を進めます。
また垂直、水平方向に企業、グループ、または個人のデータベースにアクセスし、情報を取り出し、加工するようになってくるでしょう。
こうしたときの大きな問題は端末機、パソコン等の機器がまだ比較的少ない現在でも問題になり始めている配線問題です。
この配線問題は大きく分けて2つあります。
1つは床上配線による美観、安全性の問題であり、もう1つはレイアウト変更、新情報システム導入の際の難しさ、コストにかかわる問題です。
ニュー快ワイキューブ事務所推進協議会(NOPA)が91年に行った快ワイキューブ事務所環境に関するアンケートによると「床面の配線が邪魔になる」と答えた人が35・1%にも及びました。
最新のLANシステムを導入し、基幹システムのみならず、グループウエア、システム開発環境を整えている最先端企業のなかにも配線はすべて床上で、常に下を見ながらでないと快ワイキューブ事務所のなかを歩けないといった企業も多いのです。
床上から電源、電話、コンピュータ機器用通信回線を取り除くには、物理的な方法に頼らざるざるを得ませんが、それには次のような方策があります。
・フロアダクト方式
・二重床方式
・アンダーカーペット方式
・天井から壁、パーテーションの内部に落とす方式
フロアダクト方式は、ビル建築時によくとられる方式で、大量のケーブルを通せるダクトをあらかじめつくっておくものですが、いったんレイアウトが変更になり、デスクなどが移動すると、配線取り出し口からデスクまでは配線が床上となってしまいます。
アンダーカーペット方式は、タイルカーペットの下にフラット・ケーブルという平たいケーブルを敷く方式ですが、「真上に重いものを置けない」などの問題があり、配線取り出し口からデスクの下までの限られた範囲での使用に向くものです。
天井からオフィス内の壁、パーテーションのなかを通して行う方式は、以前米国においてとられていた方式ですが、日本のオープンオフィスにはあまり向きません。
いま注目を浴び出しているのが二重床方式です。
これは最近の新築ビルにも多く使われだしたものですが、インテリジェントビルとは縁のない古いビルにもこうしたシステムを使えば、床荷重の問題がない限り、簡単に敷設できるものです。