「間接の競争」
競争は拒否出来ません。
その競争も、直接と間接に分けてみることができます。
一般に、もっとも手ごわい相手は間接の競争相手です。
間接の競争の例をあげてみましょう。
植物の場合、土地に合わないところにカラマツなどの客員樹種を植えるとどうなるでしょうか。
まず、その針葉樹の落葉が地表にたまります。
カラマツなど針葉樹の葉は、貧養で土壌生物や微生物があまり好むものではないため、なかなか分解されません。
したがって、粗腐植の形でどんどんと地表に堆積します。
不適地に植林した場所などでは、しばしば30センチ、50センチと完全に分解しない状態の粗腐植や落葉がたまっている場合がよく見られます。
本来土壌は、岩石が風化して出来た土壌の母材料に植物や動物の有機物がまざり、それらを微生物・小動物が自らの消化器を通すことによって分解・還元する土壌生物の命のかたまりです。
・・・ところが、油脂分に富んだカラマツの葉などの酸性・貧養の粗腐植は地上部にたまり、すぐ分解・還元されないために、地表と落葉層とにはっきりわかれた層ができます。
その間に雑菌などが発達すると、その菌糸が水をはねるので降水が土の中に入りにくくなるのです。
このような分解されない有機物とミネラルの下層土とが分離した状態では、他の植物の種子や果実がおちても発芽することは出来ません。
ある生物(この場合にはカラマツ)の影響によって環境がかえられて、他の生物の生存が不可能になる状態を「間接の競争」と呼ぶことができます。