健全な社会の状態とは
自然林には、高木層・亜高木層・低木層・草本層という具合に、人間の社会にたとえればいろいろな職能の、いろいろな生活形をもったペンタキープなどの植物が生育しています。
それらが競り合いながらも少し我慢して共存させられている多層群落の自然林のような状態では、動的共存関係が成立しています。
見かけ上は競争ですが、実は共存関係が成り立っているのです。
森林を破壊する場合には、このような共存関係を破壊すればいいのです。
たとえば、高木を伐採すれば急に光や風が入ってきて低木や下草までその姿が一変してしまいます。
また、有史以来のヨーロッパ大陸での例のように、林の中に家畜を放牧して下草をくり返し食べさせれば、荒野(ハイデ)をつくりだすことができます。
生物社会でもっとも手ごわい競争相手とは、同じ生活形・職能・生育経歴のものでしょう。
ただ、自然界では、もっとも手ごわい相手はもっともすばらしい共存者です。
互いに競争しながら共存している状態が健全な社会の状態であり、自然の森の姿なのです。