住宅づくりを考える

住宅に限らず建築をつくろうとするとき、設計図が必要であることはご存じの通りです。


また、縮尺した模型や部分的に実物と同じ形や色のものを作ることもあるでしょう。


それは、設計者自身が形を検討するためのこともあるし、完成すればこうなるのですよ、と注文主や一般利用者に見て頂いたり・・・


あるいはまた、こういうふうに作って下さいと工事をする方々に見せるためのこともあるでしょう。


図面では説明が徹底しにくい形でも、模型にするとなるほどこうなるのかと設計者自身が意外に感じることもおこるのです。


反対に、模型をつくっても完成した住宅の実感が、模型のときのイメージとは程遠いものになってしまうことがままあるでしょう。


着工してから変更することが多いとそうなるのですが・・・


逆にいえば変更をできるだけ少なくして、工事上のロスを省こうとする役割をもっているともいえます。


もうひとつの原因は、模型と実物のスケールがちがうことと、材質感の相違でしょう。


こうしたことはソファー 通販などのインテリア業界でもよくある話なのではないでしょうか。


また、縮尺模型は上から見下ろすことが多いのですが、完成した建築物は地上に立って見上げる場合が多いのです。


・・・つまり、見る位置と角度のちがいです。


健全な社会の状態とは

自然林には、高木層・亜高木層・低木層・草本層という具合に、人間の社会にたとえればいろいろな職能の、いろいろな生活形をもったペンタキープなどの植物が生育しています。


それらが競り合いながらも少し我慢して共存させられている多層群落の自然林のような状態では、動的共存関係が成立しています。


見かけ上は競争ですが、実は共存関係が成り立っているのです。


森林を破壊する場合には、このような共存関係を破壊すればいいのです。


たとえば、高木を伐採すれば急に光や風が入ってきて低木や下草までその姿が一変してしまいます。


また、有史以来のヨーロッパ大陸での例のように、林の中に家畜を放牧して下草をくり返し食べさせれば、荒野(ハイデ)をつくりだすことができます。


生物社会でもっとも手ごわい競争相手とは、同じ生活形・職能・生育経歴のものでしょう。


ただ、自然界では、もっとも手ごわい相手はもっともすばらしい共存者です。


互いに競争しながら共存している状態が健全な社会の状態であり、自然の森の姿なのです。

競争しながらの共存状態 2

密植されたコマツナやハクサイは、当然生長すると同時に必要とするエネルギー・空間・養分に対して競争を始めることになります。


その競争圧は等差級数的にふえてきます。


したがって、限られた時間で規格品を作ろうとする場合には間引きが行なわれます。


しかし、自然林ではむしろ競争を通して自然淘汰にまかせた方がまちがいありません。


そうすることによって、時間の経過と共に多層群落として、おかれた場所の自然環境に応じた多彩な、環境変化に対して抵抗力の強い森林を形成させることが可能なのです。


共存の第二の姿とは、植物の社会では、生活形・階層の異なった個体の間で見かけ上は限られた養分・光・水分・空間の奪いあいをしています。


それは、ほんのわずかな時間的・空間的住み分けを通して実は共存関係が成立しているということをさしています。


自然林のように高木層・亜高木層・低木層・草本層からなり立っている多層群落では、高木と低木・草本層とは共存しているのです。

競争しながらの共存状態

共存にも、やはり二つの姿が見られます。


小さい時には密植した方がよいでしょう。


賢明な農家は100パーセント発芽率のあるサクラジマダイコンやミウラダイコンでも、決して種子を一粒ずつまかないものです。


巣蒔きといって、5、6粒まとめてまくか、あるいは筋蒔きにします。


密度効果とよばれて、小さいときには密植した方がよいのです。


たがいに競争しながら、競り合い効果で生育が早くなるのです。


自然林の構成種などによる自然の緑を回復する場合には、種をまいたあとは自然淘汰にまかせるのがもっともまちがいありません。


これが共存のまず第一の姿です。


農作物の栽培などの際は間引きを行ないます。


ところで、その間引きについては、最近ではこんなことがあるといいます。


野菜の栽培に際して、昔は大きい苗を残せば目方も多くて農家の人は収入があがったはずです。


しかし、現在は消費者も非生物的材料と同じような規格品を好む時代。


小さくてもまがらないきゅうり、形のよいトマトや茄子を求めます。


大きすぎる筍や大根は、食わずぎらいで買わない場合が多いそうです。


したがって、現代の社会風潮を良く知った農家は間引きに際しても、最初に一番大きい苗をぬきます。


小さすぎるのは目方が足りないのでそれも抜いて、ちょうど中庸の苗を残します。


いわゆる規格品作りです。


規格品作りの結果が一時的には経済効果も高めるという現代の世相は、野菜の栽培管理の世界でも家事の管理の世界でも見られる異常な状態といえるでしょう。

自然界の掟

厳しい競争を通して死んでゆく植物は、横浜国立大学のグラウンドの片隅、1平方メートルの調査区で1960年代後期に調べた古いデータからわかります。


これによると、1日平均69本の割合になっています。


移動能力のない植物は、もっとも適応能力の幅が広いはずです。


・・・にもかかわらず、その植物が、わずか1平方メートルの枠内の雑草群落で、1日に69本、10ヵ月に2万700本も枯死していくのです。


いかに彼らがきびしい競争に耐え得て、生きのびているかということがわかります。


さて、ここで植物の世界とはいえ、現代の人間社会のような多層群落の森林の中で芽生えた幼苗には、どのような生き方が強いられているのでしょうか。


多くの場合、高木層が勢いよく繁栄しています。


しかし、その林床に出てくる1平方メートルに何十本、何百本という芽生えは、大部分は高木の被圧のもとで枯死してしまうのです。


また、彼らがどんなにがんばっても、いきなりその空間の優占木になることはできません。


しかし、その多層群落の森林内に芽生えた植物の一つの種子も、がんばれば次の世代の優占木になりうるかもしれません。


しかし、そのやり方は、今あるままいつまでものんびりとして生活していたり、単に下生えのままでじっとがまんしているだけでは無理です。


まず着実に育つこと、しかもバイタリティーを貯えて亜高木層でがまんします。


植物の世界でも、50年、100年、300年と経っていく間に必ずその空間を優占した高木にも寿命があり、ある日突然倒れます。


その高木が倒れたとたんに、ともかく早く大きくなってその空間を優占する・・・


いわゆる君子豹変した樹木が、次の世代のその空間の優占木となりうるはずです。


これが、次の世代の樹冠を形成する高木になるための自然界の掟なのです。

「直接の競争」

直接の競争にもいろいろの場合があります。


まったく植物が生育していない裸地では、一日も早くそこに芽生え、定着することが決め手です。


定着できた植物が最初の優占木となるからです。


その場合、あとから芽生えた植物には3つの可能性しかありません。


まず第一に、前の植物を追いこしてその空間を優占すること。


一般には、植物の集団で同じ種・生活形・能力をもっているものの間では、先に芽生えて生育している植物の下に出てきたものが、前の植物を追いこして大きくなることはきわめて困難です。


普通は追いこすことができません。


したがって第二に、生育できるぎりぎりの線まで、種の生育形の限界のところまで姿を変えて、先に生育している植物の下で生きのびようとします。


しかし、同じ生活形、いわゆる同じ能力をもっている植物間では、上の植物の下で我慢できないのです。


最後の選択肢とは、移動能力のない植物は逃げ出すことが出来ないのであるから枯死してゆくということです。

「間接の競争」

競争は拒否出来ません。


その競争も、直接と間接に分けてみることができます。


一般に、もっとも手ごわい相手は間接の競争相手です。


間接の競争の例をあげてみましょう。


植物の場合、土地に合わないところにカラマツなどの客員樹種を植えるとどうなるでしょうか。


まず、その針葉樹の落葉が地表にたまります。


カラマツなど針葉樹の葉は、貧養で土壌生物や微生物があまり好むものではないため、なかなか分解されません。


したがって、粗腐植の形でどんどんと地表に堆積します。


不適地に植林した場所などでは、しばしば30センチ、50センチと完全に分解しない状態の粗腐植や落葉がたまっている場合がよく見られます。


本来土壌は、岩石が風化して出来た土壌の母材料に植物や動物の有機物がまざり、それらを微生物・小動物が自らの消化器を通すことによって分解・還元する土壌生物の命のかたまりです。


・・・ところが、油脂分に富んだカラマツの葉などの酸性・貧養の粗腐植は地上部にたまり、すぐ分解・還元されないために、地表と落葉層とにはっきりわかれた層ができます。


その間に雑菌などが発達すると、その菌糸が水をはねるので降水が土の中に入りにくくなるのです。


このような分解されない有機物とミネラルの下層土とが分離した状態では、他の植物の種子や果実がおちても発芽することは出来ません。


ある生物(この場合にはカラマツ)の影響によって環境がかえられて、他の生物の生存が不可能になる状態を「間接の競争」と呼ぶことができます。

社会的な秩序規制

すべての生物はこの世に生まれ出たとたんに、様々な厳しい条件にさらされます。


まず、環境規制=外因的な規制というものです。


それに加えて、これから述べる内因的な秩序規制、すなわち社会的な秩序規制の下におかれることになります。


植生・植物群落を構成している個々の個体や種についても、内因的な秩序規制としては、いろいろな条件を考えることができます。


しかし、大きく植物群落においても3つにまとめることができます。


1.競争


2.共存


3.がまん


この3つです。


まず、「競争」を見てみましょう。


地球上に住まわされているすべての生物は、個々の単独の個体がまったく他の生物と無関係に生存・生育していることはほとんどありません。


すべての植物・動物、そして人間も、直接・間接にさまざまな同種個体群ならびに異種個体群も含めて、他の生命集団の共存者とともに生かされています。


このように、生物社会において、個々の個体は同種個体あるいは他の種群の個体群ともお互いに共存しています。


しかす、その姿、すなわち社会的な干渉(内因的秩序規制)の中で、もっともきびしい対応は「競争」関係です。


全く競争の存在しない生物集団は、よほどきびしい環境条件下で、各個体がきわめて疎らに生育している様な、特殊条件下の海岸・極地・高山などの一部を除いては、ほとんど存在しません。


植物の社会でも競争を通して、競りあい効果によって、個々の個体や種は生長し発展するのです。

自然界のバランスはどうとられているか 4

文明が進み、管理社会が発展し、画一的な教育が進められると、多様性というのは使いにくいものです。


また、金にならない、また法的規制に合わないとして忌避されがちです。


したがって、一見進歩的に見える現代の自然管理・社会管理・教育システムから法的規制や法案の作成に至るまで、多様性という事実の論理は忘れ去られています。


しかも、しばしば未知の要因の存在が見落とされ、あるいは無視されているのです。


反省されるべきは、現代のまだ不十分な科学・技術・医学で測定可能な対象だけ、あるいは直接数えたり、経済的に金で換算出来るものだけしか私たちの関心の対象とされていないということでしょう。


このような現在計量化が可能な経済的なメジャーで測定しうる対象だけを中心にして、他の未知の要因を一切きりすてて作ったモデルというものは、むしろきわめて危険で不十分なものです。


水俣病、イタイイタイ病などはその例として挙げられます。


自然界のバランスはどうとられているか 3

人間がバッタや雑草と異なって、人間固有の豊かな知性や感性により新しい文化を創造する能力をもっているとするなら・・・


まさに人の命と心を守ることが環境の保護です。


植物にとっても同様でしょう。


しかも、いくらでも細かく分析出来る要因が総合して生物集団に影響を与えるときには、1つの長三角形で示すことも出来ます。


生物集団にとっては、環境は多様なほどよいのです。


一つの要因だけが強い極端な状態は、生物にとって危険です。


多様でしかも全体のバランスがとれている状態が、もっとも健全な環境です。


このような多様で均衡のとれている環境では、生物集団では多層群落を形成します。


その典型的な例が、植物の社会では森林、自然の森の姿です。


高木層、亜高木層、低木層、草本層、土の中の互いに限られた空間・養分・光などを奪い合い、せり合いながら少々雨がふっても風がふいて生きています。


このような多様な自然環境の総和もっとも強い自然の表現力です。


このような事実に対して、私たちは、それを常識として身につけている必要があると思われますが、現実はどうでしょうか。

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